チームの関係者に共通の理解をつくる共有メンタルモデル

チームの関係者に共通の理解をつくる共有メンタルモデル

この記事では、チームの関係者に共通の理解をつくる共有メンタルモデルについて解説します。
Clock Icon2025.01.04

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

仕事において、一緒に活動するチーム内で共通の理解を作っていくことで円滑に業務を進めることができます。一方で、認識がずれている場合には、コミュニケーションに時間がかかったり、予期せぬ行動や結果が生じる可能性があります。

この記事では、チームの関係者に共通の理解をつくる共有メンタルモデルについて解説します。

1. 共有メンタルモデルとは

共有メンタルモデルとは、チームや組織のメンバーが、方針、目標、役割、状況、作業方法などについて、共通の理解を持つ状態を指します。これにより、メンバー間でスムーズなタスク共有や迅速な意思決定が可能になります。

2. 共有メンタルモデルの特徴

共有メンタルモデルには、以下のような特徴があります。

  • 共通認識 : 全員が同じ目標やプロセスを理解し、行動の一貫性を保てる
  • 効率的な連携 : 明確な役割分担と期待が共有されているため、コミュニケーションコストが削減される
  • 適応力の向上 : 予期せぬ変化や問題にも、全員が同じ前提で対応できる

3. 共有メンタルモデルの要素

共有メンタルモデルにおいて特に重要な要素を以下にまとめます。

項目 内容
方針 チームの方針の理解 ・Mission / Vision / Value
・戦略
目標 チーム全体が達成すべきゴールや目的の理解 ・プロジェクトの期限
・成果物
役割 各メンバーが担う責任や役割分担に関する認識 ・プロジェクトリーダー
・開発担当者
作業プロセス チームが目標を達成するために従うべき手順やプロセスの理解 ・関連業務全体のプロセス
・タスクの進行手順
・使用するツール
状況認識 チームに関わる現在の状況に関する理解 ・市場の状況
・プロジェクトの状況
・チームの組織状況

4. 横断活動と共有メンタルモデル

共有メンタルモデルは単一のチーム内だけではなく、横断的な活動においても重要です。

例えば、採用は複数のステークホルダーが関わることがあります。例えば、開発部門の責任者、開発部門で採用をするチームのマネージャーとメンバー、人事の採用関係者、採用広報の関係者などです。これらの関係者が自社の開発者の採用について共通の認識を持っている必要があります。単一のチームでは、定期的にコミュニケーションの場が設けられることが多く、些細な不明点もすぐに確認できます。しかし、横断的な活動では、意図的に場を設定し、認識共有を促進する取り組みが不可欠です。

5. 共有メンタルモデルを確立する方法

共有メンタルモデルを確立するためには、主に以下の2つの方法があります。

  1. コミュニケーション
  2. 文書化

5-1. コミュニケーション

定期的なミーティングや1on1を通じて、認識の共有や確認を行います。

分類 項目 内容
定期的な対話 定例会議 チーム全体の目標や進捗を確認する場を設定。
定期的な対話 1on1の実施 個々のメンバーとリーダーが認識を合わせる場を持つ
定期的な対話 クロスファンクショナルミーティング 複数部門間で連携を強化する会議を開催
ワークショップ等 ワークショップ 目標設定や役割分担の共有をテーマにしたセッションを実施
ワークショップ等 合宿 普段より長めに関係者で集まって時間を取り、ビジネスや方針の認識の共有を実施
リアルタイム 不明点の確認 役割や方針に疑問があればいつでも確認できるようにする

5.2 文書化

いつでも誰でも確認できるように、方針や目標に関する情報を文書化します。

項目 内容
方針 チームの方針を文書化する
目標 チームの目標やその進捗状況を文書化する
役割の階段 任意の職種に求める役割と期待水準をキャリアラダーとして文書化する
個人別の役割 担当する役割や責務について認識合わせした内容を文書化する
作業プロセス 業務のプロセスや個別のタスクの作業手順を文書化する

6. 共有メンタルモデルの浸透状況を確認する方法

共有メンタルモデルの浸透状況を確認させる方法には、主に以下の3つの方法があります。

  1. 言動の観察
  2. 言葉で説明してもらう
  3. アンケート

6-1. 言動の観察

個人の言動が、方針や目標に即しているかを観察します。

6-2. 言葉で説明してもらう

本人が方針、目標、役割、現状を自分の言葉で説明できるかを確認します。ここが問題なく理解できて、説明できる人はカジュアル面談で会社・チーム・職務に関してうまく説明できるでしょう。

6-3. アンケート

方針や目標に関する認識を調査するアンケートを実施し、一致度を確認する方法です。

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